統合失調症は治療をせずに放置した場合、自然な回復率が約35%といわれています。 一般的な治療手段としては、抗精神薬の使用、心理療法、電気ショック療法(ECT)が使われています。 統合失調症の治療に対する考え方を教える医学校はたくさんありますが、心理療法だけで効果のある治療を行なうことはできません。 電気ショック療法や抗精神薬も、ほかの療法を複数組み合わせた治療体系の中で役立つことはありますが、それだけで永続的な効果を得ることはできません。 現時点では、正常生体分子治療(オーソモレキュラー・トリートメント)を行うことが80%以上の効果があったとして確認されており、最良の治療方法であると考えられます。 正常生体分子治療のなかでは、特別な食事療法、患者に欠乏したビタミンやミネラル補給を行うほかに、抗精神薬や心理療法などを必要に応じて補助的に使います。 統合失調症の患者の多くが低血糖症を示しており、アレルギーも見られるため、これらの治療も行ないます。
統合失調症は怖い病気のひとつです。患者やその家族の社会生活にも深刻な影響を与えるからです。 生活保護や福祉費用、医療費、就業の難しさ、学習障害、アルコール依存症、家庭崩壊、自殺などの問題を考えるうえでも、統合失調症は重要な論点となります。 統合失調症患者ひとりにつき、一生涯で100 万〜200 万ドルの費用が公的資金から使われるとも言われ国の医療財政の大きな負担になっています。
正しい診断と治療が行なわれなければ、統合失調症は克服できません。 国際統合失調症基金の目的は、以下によって統合失調症を克服することにあります。 ・ 社会に対して統合失調症への理解を促し、その徴候と対処方法を知らせる。 ・ 統合失調症の患者や家族に対して、この病気の対処方法が学べるように助ける。 ・ 効果のある診断と治療方法の確立に努め、患者が回復できる機会を増やす。 ・ 研究活動を促進させる。 ・ 精神病院や精神病治療センターの環境を改善させる。